FAP療法とは

FAP療法(Free from Anxiety Program / 不安からの解放プログラム)は、日本独自の心理療法のひとつです。

インサイトカウンセリング代表・カウンセラーの大嶋信頼先生らにより、「心の傷(心的トラウマ)」の治療を追求する中で1999年に発見され、2001年に治療体系化されました。
これまでの方法では治療が難しかったPTSD(心的外傷後ストレス障害)の諸症状の改善や恐怖の克服、パニック障害、強迫性障害、依存症欲求などの幅広い問題に対して劇的な効果を示します。

2001年に体系だった際は、「パターンにそって指先を押す(FAP初級バージョン)」ことでトラウマの“状況記憶”と“感情記憶”を統合し、トラウマ記憶を物語記憶として整理することで症状からの回復を遂げていました。

トラウマ記憶とは、トラウマとなる出来事が起こった際に感じた五感・感情・認知や思考がそのままの状態で保存されてしまっている記憶です。
通常、適切に処理された記憶は時間がたつにつれてセピア色の思い出になっていきますが、トラウマ記憶は別の形で保管されているため色褪せていくことがありません。
そのため、過去の出来事であるのに今に影響を与えてしまいます。

FAP療法は、現在もより様々な症状へ対応できるようアップデートを繰り返している療法です。

FAP療法の特徴

トラウマ記憶の特徴として、思い出すことが難しかったり思い出すことで日常の適応が下がってしまうことがありますが、FAP療法はトラウマ記憶を思い出すことなく欠けてしまった感情を統合していくことができるため、短期間に苦痛なく続けていくことができるという特徴があります。

また、自分には特に大きなトラウマの出来事はないと捉えている場合でも、実は幼少期から積み重なったトラウマ(複合性PTSD)や情緒的ネグレクトの問題が影響して、対人恐怖や不安・緊張などの問題を抱えてしまっていることがあります。

その場合も、生い立ちの中のトラウマを整理していくことで、症状に影響を受けていない本来あった自分の姿を取り戻し、楽に自由に生きていくことができるようになります。

また、トラウマだけでなく能力開発や、HSP、人の気持ちがわかりすぎるといった、生きづらさの問題へも幅広く効果を発揮できます。

本当の私よこんにちは(大嶋信頼・米沢宏・泉園子 著)
インサイトカウンセリングHP・FAP療法セミナーテキスト より

FAP療法と共感

心の傷が癒されていく過程では、「共感」がとても大切なものになります。

普段の生活の中でも、自分が感じていることを誰かに話して、そして共感してもらった時に心が軽くなったり、癒されたりということを感じる方は多いと思います。
それは、自分と他者が同じ感情の波を作っていくことでノイズキャンセリングのように感情が打ち消され処理されていくからです。

FAP療法は、脳の共感反応(ミラーニューロン)を利用した心理療法です。

カウンセリングの中では、ご相談者様の感情をミラーニューロンを通じて共有することで、苦しい感情を打ち消していきます。
感情が統合されることにより、苦しみではなく自分の本来の感情が感じられるようになり、不快な感情に振り回されることなく自分が楽だと思える選択ができるようになっていきます。

カウンセリングでは

FAP療法は常にバージョンアップを続けているため、いくつかのバージョンがあります。
カウンセリングのなかでは、ご相談内容に合わせていくつかのバージョンを組み合わせてご提案させていただきます。

FAP ver.13(トラウマ治療)

FAP療法の最新のバージョンです。

FAP初級バージョン(パターンにそって指先を押す)とは異なり、カウンセラーが指定した言葉を目を閉じて頭の中で唱えていただきながら、カウンセラーの唱える言葉を聞いているだけになります。
声を聞きながら頭の中で言葉を唱えることで、トラウマ記憶が整理されて苦しい感覚が消えていきます。

指を押したり、意識移動をしたりということなくできるので、楽に負担なく受けていただけます。

記憶にある・なしに関わらず、現在の症状の原因となっている記憶にアプローチしますので、トラウマの記憶を想起したり再体験する必要はなく、とても負担の少ない治療です。

FAP ver.X (心に聞く)

「心(無意識)に聞く」は現代催眠の技法を簡単に誰でも使うことはできないか?という大嶋信頼先生の発想から生まれました。

意識(判断)の世界に生きていると、世間・親・友人・先生・同僚などの「誰かにとっての正しいor間違っている」という基準で判断をしてしまいがちです。
ですが、そんな「誰かにとっての正解」を自分に当てはめた結果、そのことが生きづらさに繋がっていることも多くあります。
意識の世界に溢れる情報が「大量生産のスーツ」だとしたら、無意識の教えてくれる言葉は「自分の体にぴったり合ったオーダーメイドのスーツ」のような感覚です。

無意識のなかにあるのは、正解や間違いではなく、「快・不快」です。

そして、その「快・不快」は自分が進んで生きたい道、関わって生きたい人を選んでいくためには不可欠な感情になります。
誰かにとって最も良い選択が、自分にとってもそうだとは限りません。
無意識からのメッセージを聞くことで、なにが「自分」を楽しませたり、快適にしてくれるのかがわかっていきます。

※本で詳しく読みたい方はこちら
リミットレス!あなたを縛るリミッターを外す簡単なワーク

FAP ver.3.0(初級バージョン)

FAP療法が2001年に体系化された際のバージョンです。
問題別の解除パターンに沿って指先を押すことで、トラウマ記憶を整理し苦しい感覚を解消していきます。

こちらも記憶にある・なしに関わらず、現在の症状の原因となっている記憶にアプローチしますので、トラウマの記憶を想起したり再体験する必要はなく、負担の少ない治療にとなります。

※本で詳しく読みたい方はこちら
本当の私よ こんにちは FAP療法で過去を手放し「今」を生きる