ひとつひとつトラウマを取り除いていくと…

ー私はずっと昔、迷子の感情が風船みたいにぷかぷかしている中で暮らしていた。その風船が、いきなりパチン!と破裂するんだ。歩いていると、パチン!誰かと話していて、パチン!

このパチンは、今でいうなら、不安、恐怖、敵意、混乱、疑い、絶望、怒り、不信……。でもあの頃は正体のわからないパチンパチンがどうして起こるのかわからずに、こんなのひどすぎる、もう我慢できない、と思っていた。

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア/白川美也子著

この、「迷子の風船」という表現ってすごく分かるな〜って感じます。

カウンセリングに通い始めのころって、この迷子の風船が自分の周りにたくさんあるような状態で生きているって感じかなと思います。
傷が多ければ多いほど、深ければ深いほど、その風船の数って多くて、少し身動きするだけでもバンバン風船が破裂していく。
そして、バンバン破裂していく風船に圧倒されてしまって身動きが取れなくなってしまっている、そんなイメージが近いかなって感じます。

カウンセリングでは、FAP療法を使って、そのひとつひとつの風船を取り除いていく作業をしている感覚があります。
量が多いほど、本当に風船は減ってるのかな?と感じるときもあるかもしれません。
でも、あるラインを超えると、あれ?ちゃんと風船は減っていた!と感じるタイミングがくるなと私は感じています。

まずは自分のすぐ近くにある風船が減っていく。
風船が減ってくるとパチン!が減っていくので、動ける範囲が広がっていく。
動ける範囲が広がっていくと、別のパチン!に遭遇することもあるけど、それも取っていくと、また動ける範囲が広がっていく。
そんなイメージだなって感じます。

私も、最初はちょっと動くだけでパチンパチンしていましたが、最近は動ける範囲も増えて、遠くまで冒険できるようになってきたな〜と今は感じます。
また、パチン!が起こると感情の波ができて酔ってしまうので気分のアップダウンも激しくなってしまうんですよね。
そういったことも減ってきて楽だな〜って感じられるようになってきました。

風船は、症状。
ひとつひとつ取り除いていくことで、どんどん遠くまで冒険していけるようになっていくなと感じています。