自分は良くなっているのかな?と感じたら

こんにちは!松浦みづほです。

回復はらせん階段のように

*回復は螺旋階段

「まえがき」でも述べたように、トラウマからの回復は、重症例をのぞけば「心理教育」「セルフケア」「スキルの構築」の三本柱で可能です。

つまり、
●トラウマとは何か、それがどう現在に影響するかを知る
●自分を大切にするセルフケアの方法を身につける
●生きていくための多様なスキル(感情表現や人間関係など)を身につける
ことが重要です。

回復は、安全が確保されて初めて可能になります。

その上で、被害を受けることによって失っていた自己コントロール感や自己尊重感を手にし、そして、自分の生き方を自分で選択できる、生きることを楽しめるようになっていくのです。

回復は一直線に進むものではありません。
「記憶の解凍」は安全が確保されて初めて起きます。

少しよくなった、楽になったと思った途端、記憶が吹き出してきて混乱します。

また進歩すると人生の次の課題が出てきて、一時的にまたしんどくなったり、しんどくなったことで過去の症状が戻ってくることもあります。

ちょうどらせん階段のようなものです。

行きつ戻りつしながらも「全体的にはよくなっている」と感じられることが大切なのです。

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア/白川美也子 著

この「回復はらせん階段のようなもの」という考えかたって、回復の中で心に止めておくことは大事だなと感じます。

行きつ戻りつすることがあるということ。
そうしながらも、全体的に良くなっていると見ることができる目を、できるだけ持っていること。
(渦中にいるとなかなか難し時もあったりするので、できるだけ。)
回復しているからこそ、起こることがあると言うこと。

そういったことを知っているのと、いないのでは全く自分の状況に対する見方って変わっていくなと感じるからです。

トラウマが解消されていくと、
緊張が下がっていくことによって今まで出せなかったトラウマの記憶が出てきたり、
嗜癖によって抑えられていた症状が出てきたり、離脱症状が出てくることがあります。

でも、それを「また前の状態に戻ってしまった」と捉えてしまうと、いつまでも自分は良くなっていないような感覚に囚われてしまいますよね。
良くなっていくステップとして、そういうことが起こることもあると知っておくと、自分を守ることにも繋がるなと感じます。

そして、もしも自分って本当によくなっているのかな?と思った時は「比べる時は過去の自分と」と思うのがおすすめかな?と思います。

自分って大丈夫かな?と思う時って、他人と比べたくなることが多いのですが、自分と全く同じ要素を持った人はいないので、他人は基準にならないと感じるからです。
(といっても、私も人と比べたくなったことはいっぱいあるのですが)

半年前、1年前、3年前の自分と比べて、あの時大変だったけど、それを越えて少しづつ回復に向かっている自分を認めてあげること。
こんなことで困っていたけど、なくなっている症状ってたくさんあるな〜と認めてあげること。
(過去の自分と比べてみると、良くなっていることは結構あります!)

そして、頑張っているねと自分を認めてあげることが、自分らしく回復の道を歩いていく時に大切なことかなと感じます。