今と自分を生きるために
こんにちは!松浦みづほです。
森の賢者がみんなの顔を見渡しながら言いました。
「今日は、記憶と感情がつながる、ことをテーマにしてみよう」ー私はずっと昔、迷子の感情が風船みたいにぷかぷかしている中で暮らしていた。
赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア/白川美也子
その風船が、いきなりバチン!と破裂するんだ。歩いていると、バチン!誰かと話していて、バチン!
このバチンは、今でいうなら、不安、恐怖、敵意、混乱、疑い、絶望、怒り、不信……。
でもあの頃は 正体のわからないバチンバチンがどうして起こるのかわからずに、こんなのひどすぎる、もう我慢できない、と思っていた。
海でおぼれかけたことや、クマに追いかけられたことは、どこか他人事だったね。
そういったことがあったのはわかっているし、そのときの苦しさで胸が詰まる感覚もある。
でも妙なことに、自分自身に起きたことだという感じがしないんだ。
……今は違う。「あのときは、本当に苦しかった、こわかった」と言えるから。
何度も話すうちに、それは「自分のこと」で、しかも「過去のこと」だ、と腑に落ちたんだ。
毎日わいてくる感情も、ぷかぷか風船じゃなく、ちゃんと根っこがある。
たとえば、何かが思い通りにいかなくて「がっかりだ」とか、あの人が今どうしているか「心配だ」とか、解決する方法が思いつかなくて「困ったな」とか、その感情がどこから来るのかわかるようになった。
そうすると正体不明のバチン!に悩まずにすむんだよー
記憶と感情が一緒になるって、トラウマの記憶を処理していくためにはとても大切なこと。
処理されていない感情がこの風船のように日常に影響してしまうとで、“今”や“自分”を生きることが難しくなってしまうんだなと感じます。
私がFAP療法を受けていて感じるのは、この風船が一つ一つ取り除かれていくような感覚だな〜と思います。
その背景には記憶と感情の統合があると思うのですが、そうやって一つ一つ風船が無くなっていくことで、過去の影響を受けていない「今」を過ごすことができるようになっていくんですよね。
また、FAP療法は何度も語らなくてもトラウマの統合がされているというのも魅力の一つだと感じます。
安心の中で語ることはとても大切。
だけど、トラウマの内容によっては思い出せなかったり、言葉にできなかったり、どんな感情なのか自分でも分からなくなってしまっていることもあリます。
そんな言葉にならなかったり、思い出せない感情も、FAP療法は統合していくことができるんですよね。